トリガーポイントが姿勢を決めている
強い痛みは筋肉が収縮している時、短縮している時に起きているという事を前項でお伝えしましたが、この事は私たちの姿勢を決めている大きな要素のひとつでもあります。
つまり活性化したトリガーポイントが存在している筋肉に力が入ったり、その筋が縮む方向へ身体が動くと、トラブルを起こしている筋は痙攣を起こし痛みを発しますので、無意識的にその筋肉に力が入らない方向、伸ばす方向へ身体を持って行きます。
腰の痛みが強い時などに、腰を大きく屈めたりして、痛みが一番楽な姿勢を取る事を思い浮かべて頂くとよく理解出来るでしょう。
特に腰の痛みが強いときは、手を膝に当て体重を腕で支えようとします。これは身体を支える筋(特に腰方形筋)に力が入って強烈な痛みが起きるのを防ごうとしています。
一般的には身体が右へ傾いていると「右側が縮んで引っ張られているから、身体が右へ傾いている。だから右側を伸ばさなくては・・・」と考え、身体を左へ傾けて調整しようとしますが、身体を右へ傾けているのは、左側にTPが存在しているためなのです。
左側のTPを縮めてしまうと痛みが起きて来ますので、身体を無意識的に右側に傾けて、痛みが起きないように調整しています。
(イラスト図出典:『Myofascial pain and Dysfunction The Trigger Point Manual』 より引用)
ですから、単純に「右に傾いているから左へ戻そう」とするのではトリガーポイントが存在する筋肉を縮ませてしまう事になり、痛みを生じさせてしまうことになります。
傾いている身体を起こすには、反対側に存在するトリガーポイントを弛める事です。
トリガーポイントを弛める事無しに身体を起こしてしまうと、身体はつらい事になってしまいます。
この意味で、単純に「縮んでいるところを伸ばそうとするストレッチング」は間違いという事になります。
目次
- 1.日本の痛み医療は遅れている!?
- 1-1 現代医学は痛みの原因のとらえ方を間違えています。
- 1-2 今までの「痛み常識」を疑ってみる
- 1-3 画像診断は役に立たない
- 1-4 構造的アプローチから機能的アプローチへ