トリガーポイントは活性度によって次の三段階があるとされています。
第一段階(筋硬結)
この段階では日常痛みを感じることがありませんが、身体を指圧すると痛むところがあるという段階です。通常は治癒力が働いて、これ以上に悪化しないのですが、人間関係のトラブル、経済的な問題などで強いストレスがかかったり、酷使したり冷えが続くなどした場合、治癒力が低下し、トリガーポイントを次の段階へと悪化させます。
第二段階(潜在性トリガーポイント)
第二段階になると、トリガーポイントを指圧すると、その場所だけでなく他の場所へ痛みが響きます。(これを関連痛と言います)また、副交感神経反射と言って、お腹が鳴ったり、鼻水がでたりという現象が起きる事があります。
そしてこの段階では動かすときに痛むという「動作痛」が起き始めます。ちょっと手を上に伸ばしたときに痛みを感じたり、車の乗り降りの時に痛みを感じたりします。そうなると身体の状態がいつも気になるタイプの方や、少し神経質なタイプの人は、常にその場所を気にしたり、身体のどこかに疾患があり、それからの痛みではないかと不安に思うなどのストレスとなって行きます。
ここでも、治癒力がちゃんと働ける状態であれば、トリガーポイントの活性度は低下して行くのですが、痛む動作を気にして、身体を動かさなくなったり、さらにストレスや冷えが続くなどによって、次の段階へと悪化します。
第三段階(活動性トリガーポイント)
第三段階になると、じっとしていても痛むという「自発痛」が起き始めます。つまり動作をしなくても痛みますので、この事は強いストレスとなり、症状の悪化や慢性化につながりやすくなります。
痛みの治療では、トリガーポイントの活性度を低下させることを目的とします。このことを脱感作と言います。感作とは「過敏性が増している」状態の事を指し、過敏性を低減させることを「脱感作」といいます。過敏性が増しているために少しの刺激でも過剰に反応したり、強い痛みを感じますので、過敏性を低減させることで過剰な反応や強い痛みを軽減させます。
第三段階にあるトリガーポイントは第二段階へ、第二段階にあるトリガーポイントは第一段階へ戻すことをまず目指します。
目次
- 1.日本の痛み医療は遅れている!?
- 1-1 現代医学は痛みの原因のとらえ方を間違えています。
- 1-2 今までの「痛み常識」を疑ってみる
- 1-3 画像診断は役に立たない
- 1-4 構造的アプローチから機能的アプローチへ