痛み方の3つのパターン
多くの方が『痛む場所に原因がある』と思われていますが、前述しましたように、トリガーポイントが起こす痛みには「関連痛」という現象があり、しこりがある場所から遠く離れた所にも痛みを感じさせます。
この関連痛があるため、実は痛み方には3つのパターンがあるのです。痛み方の違いを知らなければ、的確な痛み治療はできません。
①痛む場所にトリガーポイントがある。
これはとても分かりやすい痛み方です。
この痛み方であれば従来の治療法である、湿布を貼ったり、指圧するなどの治療法でも効果を発揮します。
②別の場所にあるトリガーポイントの痛みを感じている。
これが「関連痛」という現象です。
つまり痛んでいる場所には原因がないと言うことです。
ですから、痛む場所への治療、即ち湿布を貼ったり、指圧をしたり、鍼を打って貰ったりしても痛みには効果を発揮しません。
これが長年痛みが楽にならない原因です。関連痛を起こしている所が分かれば、速やかに痛みを軽減させることが可能となります。
関連痛については・・・「関連痛ってなに?」を参照下さい。
③上記2つの痛みを同時に感じている。
これもやっかいな痛みです。
痛む場所にトリガーポイントがあり、他のトリガーポイントの痛みも同時に感じていますので、痛む場所を治療してもイマイチスキッとしない・・・という事になります。
痛みの原因の見つけ方
上記のように痛み方は3つのパターンがありますので、痛みを的確に治療するには、まずご自分が感じているその部位にトラブルがあるのか、それとも関連痛を感じているのかを見分ける必要があります。
そして、その痛みが関連痛の場合は、関連痛を起こしているトリガーポイントを見つけなければなりません。
次の手順に従って痛みの原因を見つけて下さい。
<手順 1>
①まず痛みを感じている所を押してみます。
②「あーここだ!」という感じがあれば、その場所にトリガーポイントが存在している可能性が高くなります。
③その部位を指圧したり、マッサージしてみましょう。
④痛みが楽になる感じがあればそれを続けて下さい。
⑤「あーここだ!」という感じがあって指圧やマッサージをしても、痛みが一向に変わらない場合は、これも他の場所にあるトリガーポイントの痛みを感じているだけだということになります。その場合は「手順 2」に進みます。
<手順 2>
痛みを感じている所を押しても、痛む場所がはっきりしない場合は、他の場所にあるトリガーポイントからの関連痛を感じている可能性が高いので、そのトリガーポイントがどこにあるのかを探す事になります。
原因があるところ、トラブルを起こしているところを見つけるには、「痛む動き」をすることによって見つけます。
「腰痛」を例にとってご説明します。
①まず立った状態で少し前屈み、後ろ反りをして、どちらの動きで痛みが出るのかを確認します。
②次に椅子に座って軽く前屈、後屈をして、立った状態での痛みが変化するのかを確認します。
③座った状態になると痛みが軽くなったり、痛みが無くなったりする場合は、脚の筋に問題があるということになります。
動作をするときの痛みは、筋肉が収縮するか短縮する事に反応して痙攣が起きた為の痛みですので、筋肉の収縮や短縮がなければ痛みは出ません。
椅子に腰掛けた事によって、痛みが軽減もしくは消失したと言うことは、脚の筋肉を使わなくなったからです。
④椅子に座って前屈で痛みが出る場合⇒前屈をする時は、腹部やそけい部の筋肉に力が入ったり、短縮しますので、腹部やそけい部に原因があることが多いのです。
⑤椅子に座って後屈で痛みが出る場合⇒後屈をするときは、上半身が後ろに倒れないように腹部の筋が支えています。
その為、腹部の筋に力が入り、それを引きがねとして痙攣を起こし痛みを起こすことが多いのです。
目次
- 1.日本の痛み医療は遅れている!?
- 1-1 現代医学は痛みの原因のとらえ方を間違えています。
- 1-2 今までの「痛み常識」を疑ってみる
- 1-3 画像診断は役に立たない
- 1-4 構造的アプローチから機能的アプローチへ