慢性的に痛みがある方は、身体のあちこちに見られる硬いしこりや押すと響くような痛みを出すポイントがあることをご存じだと思います。トリガーポイントには診断基準がありますが、大まかに言うと、このしこりがトリガーポイントです。
【専門家向けの説明】
身体のあちこちに見られるしこりは、鍼灸などで使われる「ツボ」と高い確率で一致すると言われていて、トリガーポイントは「ツボ」の事だと思われている方も多いようです。
しかしトリガーポイントは単なる「ツボ」ではない、いくつかの特徴的な現象があります。
①トリガーポイントの圧痛は索状硬結上に限局して現れる。
※索状硬結:筋膜内に見られるピーンと張ったロープ状になった部分。②トリガーポイントを強く圧迫すると典型的な関連痛が見られる。
※関連痛:「4-1 関連痛ってなに?」を参照して下さい。③トリガーポイントを圧迫すると症状が再現する。
④飛び上がるほどの痛みを発することがある。(ジャンプサイン)
⑤鳥肌が立ったり発汗するなどの自律神経反応を引き起こす事がある。
「トリガー」というのは文字通り「引き金」という意味で、ピストルの引き金を引くと、弾が遠くまで飛ぶように、トリガーポイントを押すと痛みをそこから離れた部位で感じる事から名付けられています。これは神経の走行とは関係のない所で痛みを感じるため、「神経痛」ではなく「関連痛」と呼ばれています。
トリガーポイントが起こすこの「関連痛」が、医療機関をはじめ、痛み医療に関わる方に知られていないため、痛む場所への治療に終始することとなり、長年痛みで苦しまれている方が多いことの背景となっています。
目次
- 1.日本の痛み医療は遅れている!?
- 1-1 現代医学は痛みの原因のとらえ方を間違えています。
- 1-2 今までの「痛み常識」を疑ってみる
- 1-3 画像診断は役に立たない
- 1-4 構造的アプローチから機能的アプローチへ