監修・協力:release studio からだすこやか
私たちが腕を使うとき、その働きが効率よく行くように、全身の筋膜が「保持したり」「援助したり」しています。
上のイラストは腕から体へ繋がる筋膜のライン(腕線)と、腕の動きを効率的に働かせるための筋膜ライン(機能線)を示しています。
これらは連動して働きますので、一つの動き・一つの機能として見て下さい。
腕を使いすぎると肩が凝ったり、首が痛くなるという経験をされた方も多いと思います。
しかし、腕の使いすぎから腰や脚が痛くなる例もよくあるのです。
【60代男性の例】
この男性はゴルフがお得意で、若い人より飛ばせることを誇りに思われていて、いつもダンベルで鍛えるのが日課の方です。
あるとき長期の出張があり、その間ダンベルトレーニングが出来なかったため、帰宅後からすぐにトレーニングを始められたそうです。すると数日後、腰が痛くなりはじめ、どんどん悪化し動くのもやっとという状態になられ、当研究所に相談に来られました。
腰の張りを触診しましたら、起立筋や腰方形筋がカチコチになっておられました。
腕のトレーニングをし始めてから腰が痛み始めたというお話しから、腕線⇒機能線という筋膜ラインを通じて腰に負荷がかかったのではないかと推測しました。
そこで、カチコチの腰に触れながら、腕を押圧してみました。
すると、上腕二頭筋や上腕筋などを押した時に、腰の筋肉がフーッと弛みました。
1)腕の浅筋膜を調整して背部・腹部の筋膜をリセットする
腕からつながる筋群
まず、最初に示しました「機能線」のイラストを見て頂き、背中側の機能線が「菱形筋」「僧帽筋」「広背筋」などを走行し、前側の機能線が「大胸筋」あたりを走行している事がお分かりになると思います。
このような事から、腕を弛める事で首、背中、胸なども連動して楽になりますし、首や背中などが楽になることで、腰や脚も変化してきます。
①前腕の浅筋膜を調整する
・前腕を掴んで内側と外側に捻ってみます。
・どちらかが捻りやすく、また気持ち良く感じます。
・捻りやすい方、気持ち良い方に捻ったまま「前後屈」「左右側屈」「左右回旋」の三つの動きをします。
②上腕の浅筋膜を調整する
・前腕を掴んで内側と外側に捻ってみます。
・どちらかが捻りやすく、また気持ち良く感じます。
・捻りやすい方、気持ち良い方に捻ったまま「前後屈」「左右側屈」「左右回旋」の三つの動きをします。