監修・協力:release studio からだすこやか
首が痛む、肩が凝る、腰が張る、などの症状が出たときに、家庭や仕事場で簡単にできるセルフケアをご紹介します。
1)胸の浅筋膜を弛める
皮膚のすぐ下の浅いところに「浅筋膜」という組織があり、それが全身を覆っています。
そのため、浅筋膜を弛めることで、全身が楽になります。
①手の使い方
皮膚表面に手を密着させ、皮膚を伸ばすようにしていきます。
手がきつい場合は、ゴム手袋や、手の使い方に工夫をしてみるとうまくいきます。
②手の使い方Ⅱ
両手を重ねると圧が強くなり、浅筋膜のずらしが上手く行きます。
③左右にずらしてどちらが楽なのかを確認します
胸の浅筋膜を左へずらして、軽く身体を前後左右に動かしてみます。
右側も同様に行って、どちらが身体が楽に動くのかを確認します。
④楽に感じた方にずらしたまま「前後屈」「左右側屈」「左右回旋」を行います
楽に感じる方は身体が整う方向です。
身体が整う方向に浅筋膜を誘導しておいて、「前後屈」「左右側屈」「左右回旋」の三つの動きをすることで、全身の浅筋膜が整ってきます。
特に胸部の浅筋膜を調整しますと、首や肩が楽になります。
2)横隔膜を弛める
横隔膜は姿勢を維持する姿勢筋群の一部で、しかも体腔内の圧をコントロールしている重要な組織です。
イラストのように、横隔膜は上背部まで影響していますので、首や肩が痛む方は横隔膜を弛めるのは必須となります。
「肩こりは横隔膜の調整が重要」という記事も参考にされて下さい。
①押さえる場所
100円ショップなどで売られている麺棒を用意します。ご家庭にある「すりこぎ」などでも結構です。
右上の図のように横隔膜は腰椎上部に付着して、そこから傘のように広がった組織です。この図をイメージしながら押してみて下さい。強く押す必要はありません。
ちょうど胃の裏側辺りを押すようなイメージで麺棒をお腹にあてがいます。
②横隔膜を弛める
- お腹に当てた麺棒を、上下に動かしたり左右に動かして横隔膜を弛めます。
- また麺棒は動かさずに上半身をゆっくりと左右に動かしたり前後に動かす事も有効です。
3)肩の浅筋膜を弛める
肩には首や腕、そして胸や背中の筋膜と繋がっています。
そのため、それらの影響を受けて肩の筋膜が緊張してきます。
そこで、肩の浅筋膜を弛めて直接的に肩を楽にするエクササイズです。
①肩の骨を探す
まず、肩の方へ手を滑らせて、鎖骨の後側にある肩の骨を探します。
指で圧をかけて、痛みや気持ちよさを感じる所を見つけます。
②三つの動きで肩の浅筋膜を弛める
痛みや気持ちよさを感じるところを抑えたまま、「前後屈」「左右側屈」「左右回旋」の三つの動きで、全身の筋膜の調整を行います。