トリガーポイントとは?腰痛・肩こり・関節痛などの痛みの原因です。

トリガーポイント研究所

看護師の腰痛体験記③

18歳の時と同じ激痛が・・・

そして2月25日の夜、横になっていて起き上がる時に右下肢にビリビリと電気が走ったような痛みが起きた。何だろうと不安になったが、すぐ治るかもと思った。が、痛みは日々広がり強くなっていった。寝ても起きても座っても疼痛。痛みが強い時は身の置き所がないくらいだった。歩くと激痛が起こる。座薬のボルタレンを使用して仕事に行った。

18歳の時も同じ痛みを起こし病院でヘルニアによる座骨神経痛と診断を受けた事がある。その時も酷い痛みで理学療法も受けれないくらいで、医師の紹介で鍼灸院で治療を四回受けたら治ってしまった経験があった。でもその先生はすでに亡くなっている。椎間板ヘルニアならやはりトリガーポイント治療と考え、再び以前受診したトリガーポイント・Hへ行く

平成23年3月

トリガーポイントH
・坐骨神経痛と思える。悪いようだから詰めてきてください。
・1日おきくらい通うが、痛みはまったく取れない。先生もどうして良いかわからないような様子だった。治療後に酷い痛みで、起きき上がるまで時間を要する。
強い痛みは、立つ・歩くで発生するが、横になった後、起き上がったりする時が強烈だった。シビレやマヒは無かった。

Y鍼灸院
・鍼
・坐骨神経痛治療が得意との事で行ってみたが、まったく痛みは取れなかった。世間話が好きなようで、痛みでいっぱいいっぱいの時に相槌を打つのも嫌になり1回で止めた。

魔法の手治療院
・整体
・筋肉のトラブルが考えられる、ほぐせば痛みは止まる、ぶら下がり健康器が良い
・坐骨神経痛治療が得意との事。仰向けもうつ伏せも出来なくなっていた為、電気ドリルの様なマッサージ機を足腰にかけるが、その振動がとても痛かった。我慢して2回行くが止めた。ぶら下がり健康器も買ってきてもらいやってみたが、何にもならなかった

3月31日に仕事で訪問した先で、右足が痛みと共に強張って可動せず歩けなくなった。駐車場まで行けず、玄関まで迎えに来てもらった。職場に戻ると少し回復してなんとか歩けた。病院で検査が必要と感じた。

平成23年4月

M整形
・レントゲン、ラセーグ検査
・レントゲン結果は腰痛症と左側弯。5日間休職安静との診断。ロキソニン、湿布処方あり。
・ラセーグテストでは痛み無い。
・安静にしたが変わらず。
最初、大きな病院に行く事も考えたが、駐車場から受付までの距離や待ち時間を考えるとムリだと判断して近医を受診した。仕事に行くのが耐え難くなっていた。無職になりたいと心から思った。

O整体院
・整体、気功
・背骨と腰と骨盤がズレている。炎症起こして熱を持っているから、お酒、お風呂に浸かるは禁止。
・5日間休職の間に痛みを取らないとと焦っていた。ネットで自分自身が事故の後遺症で苦しみこの治療で回復し、他の症例もたくさん書いているこのO整体院を見つけ電話したが無愛想で感じが悪い。ネットの印象と正反対。ネットでは、自分が痛みで苦しんだ時にいろんな治療をしてきて、いい加減な治療家をたくさん見てきたから、そんな治療家には絶対なるまいと書いてあった。

迷ったが、難治の方もたくさん治しているとの事で行ってみる。うつ伏せも仰向けも辛いが何とか治療は終わった。普通の整体と同じと感じた。『どうですか良くなってないですか』と自信ありげに聞かれるが、変わらないと伝えると『こんなんなって来とる訳やからねぇ』と不機嫌そうに云われた。また、今までかかった治療所を聞かれ話すと、いちいち貶した。明後日また来た方が良いと云われ予約をして帰る。帰宅してからも疼痛、激痛は止まず、座薬を使う。二回目の治療に伺うが、痛みのある者に、扱いが手荒く言葉にも思いやりの無さを感じた。ここはダメだと思った。

☆ワンポイント解説

慢性の疼痛で苦しんでおられる方は、希望の光は消えかかり、心がとてももろくなっておられます。痛み治療でたいせつな事は、もろくなっている心を支え、希望の光を灯すサポートをさせて頂くことです。大阪大学名誉教授の故中川米造先生は次のように述べられています。

「患者の苦痛を軽減させる為に最も適切な対処をすることこそが医学の存在理由であるとすれば、医学は患者とのコミュニケーションである。コミュニケーションが最も基礎になる方法であり、最初にして最終の方法である。患者も医療者もともに希望を持ち、不安を軽減するために、相互に働き掛け合いながら患者にとって満足すべき状態を創造することが医療である。」 (中川米造)

入院

5日間の休職期間が終わり、座薬を使って出勤していた。鎮痛効果が切れると座薬を使うの繰り返しだった。立って両手を使う事が出来なくなっていた。帰宅後、痛みと疲労で何も出来ず、食事は日持ちするパンを買い込み食べ続けた。4月8日に再受診し、痛み止め注射を打ってもらい13日から入院しての安静治療が始まった。MRIの結果も出ており、L3L4間、L4L5間の二ヵ所に軽いヘルニアがあり、安静で治まるだろうとの事。このヘルニアくらいでそんなに強く痛まないはずだけどと言われた。しかし、入院3日目で痛みが更に酷くなり歩行困難で松葉づえを使い始めた。動くと激痛が起きる為、トイレに行く事すら苦痛だった。

寝ても覚めても痛みがまとわりついて、鎮痛剤を飲むと少し楽になるのでそれだけが支えだった。毎晩、なぜこんな目に遭わないといけないのか悲しくて泣けた。孤独で八方塞がり状態で、この先どうなって行くんだろうと不安が日増しに大きくなった。線維筋痛症で耐え難い痛みで自殺されたアナウンサーの事を思い出した。自然に心臓が止まればいいのにと思った事もある。自分の身体の事は受け止めるしかないと思うが辛くてやりきれなかった。

☆ワンポイント解説

筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の概念のない痛み治療では、この手記を書かれたFさんのようにとてもつらく苦しい人生を送らざるを得なくなります。このようなことにならないようにするためには、筋筋膜性疼痛症候群(MPS)やトリガーポイントの事を多くの医療関係者、治療家の方に知って頂き、痛みで苦しんでおられる方に笑顔が戻るようにして頂きたいものです。

大分市の山下クリニックの山下徳治郎先生は、次のように述べられています。

「多くのMPSの患者たちは、他の診断名をつけられて不適切な治療を受けたり、原因不明の疼痛として放置されたり、あるいはどこにも異常はないとして突き放されたり、神経症扱いされ、痛みから解放されることなく苦しんでいるのが現状である。」

 山下クリニックのサイトはこちら⇒

筋肉が痛みの原因では・・・?

痛みはビリビリした痛みや、右臀部から爪先まで強く吊ったような痛みだったので診察時に筋肉が原因では…と言ってみたが一蹴される。それが坐骨神経痛の痛みだと言う。ヘルニアによる神経圧迫が理由と云う。しきりに神経根ブロックを勧められたが、痛いわりには、痛みの戻りが早いと聞いていたので気が進まず断り続けた。

医師会で私の症例を発表したら全員が神経根ブロック注射をすべきだと云ったとの事だが断り続けた。牽引、ホットパック、電気等行うがどれも意味が無い気がした。安静で改善は無く長引いていた。そのうち手術を勧められ始めた。MRIの所見では、安静で治る程度の説明だった。まったく納得できなかった。かりに手術をしても、再発や悪化、痛みが取れないままの話をよく聞いていたので問うと『そういう事もあるが、治る人もいる。何でもやってみないとわからんでしょう』との返事。そんな可能性にはかけられないと思い断った。しかし、ふとした時に投げやりな気分になる。委ねてしまって逃げたくなる時もあった。痛みで苦しみ、生活環境も変わり、精神が疲れていた。でも私の身体は私が責任者だ。治療の選択は私にある。何か方法があるはずだ、しっかりしようと言い聞かせた。

毎朝回診があり、顔を合わせる度に神経根ブロックか手術を勧めるので、先生の声が聞こえてくると痛みが増した。ある日、職場の仲良しさんや、姉、友人が来た時は痛みがひく事に気付いた。
5月末に友達から直方に古くからある鍼灸院(Y鍼灸院)の話を聞く。手術を勧められたヘルニア患者を何人も治していて、上手で有名との事。入院中だったが、6月から10回通ったが変わらなかった。とても温かく優しい先生だった。最後は先生の方から『友達の鍼灸師に別の方法があるかきいてみよう』と云われた。

入院していても回復の兆しはなく、断っても毎日神経根ブロックと手術を勧められ精神的にも参ってしまい、6月13日に退院した。退院はしたがとにかく右臀部から爪先までにかけてあらゆるところに攣った痛みや、神経がこそがれるような痛みがあった。

トリガーポイント研究所との出会い

退院してから自宅療養になって気分も良くなってきた。けれど鏡を見ると、眉間に深いシワが出来ていた。
ぎっくり腰をしてから現在までの事をずっと考えてみた。痛みは動作時に強くなったり、吊った痛みや強張った痛みが起きている。18歳の時も椎間板ヘルニアと診断され坐骨神経痛の症状が出て、4回の鍼で痛みは無くなった。なぜ鍼で治ったんだろう構造上の痛みなら鍼を打っても治らないだろう。腑に落ちなくて、やはり筋肉からと思えてしまう。トリガーポイント、筋筋膜性疼痛症候群が頭に浮かぶ。

ネットで調べ直した。その中で、筋筋膜性疼痛症候群患者ネットワークに掲載されている男性の方の手記を読んで私と同じだとびっくりした。何回も繰り返し読み、何日か考えてやはりトリガーポイント治療が相応しいのではないかと思えた。

ネットで見つけた福岡市のトリガーポイント研究所の佐藤先生に電話をさせていただいた。症状からとりあえず、すりこぎで腹部・大腿・小臀筋を押す事を習い、6月21日に治療に伺う事となった。北九州からは遠いがこんな状態でも不思議な事に、車を運転する事はできた。痛み止めを使えば運転中はさほど痛みを感じなかった。

その頃の状態は、右臀部から下肢爪先まで疼痛、強張り、吊った痛みが常にあり、動くとそれらの痛みが強くなり激痛だった。歩行時は1本杖を使っていた。自分でする事は、トイレと入浴だけで精一杯だった。上体は55度歪み(医師の所見)、何か支えるものが無ければ立ってる事が出来ず、両手で洗顔する事もできなかった。腹臥位、仰臥位、左側臥位でも痛みが出るため、右側臥位にしかなれない状態だった。

1回目の治療と経過

6・21
夜中痛みで覚醒。右臀部からつま先まで、強張りとシクシク、キリキリとしつこく痛む。二時間前にロキソニン飲んだがちっとも効いてない。我慢して体位工夫してたらいつの間にか眠れた。午前中福岡市のトリガーポイント研究所へ。 駐車場から研究所まで、5歩あるいては休み、杖にすがりついていた。肩に掛けたバックを先生に持って いただいて何とかたどり着けた。大仕事をしたような疲労だった。強い痛みが出る仰向けや、うつ伏せ出来ないまま治療を受けた。治療後、右腰の上がグンと伸びた。景色が変わって見えた。来た時より、駐車場までの歩行は良く、休みも少なかった。あのぎっくり腰を起こして以来、いろんな治療を受けたけれど、一番手応えがあると思った。けれど痛みはまだまだあり、先生から教わった腹部をせっせと揉もう。

6・22
夜中、左側臥位から右側臥位になった途端、激痛が続く。ロキソニン内服。起床時、起き上がりの痛みが通常より軽減。前屈み、右傾きも軽減している。トイレの下着の上げ下げが激痛で窓枠に掴まったり、タオル掛けに掴まったりで大変。きつくて、ちょっと横になると起き上がる時が激痛。一日中痛み繰り返し。ちょっとした動作時、歩行時酷くなる。 痛みを避けたい気持ちから、座椅子に座ったまま杖で物を引き寄せたり、押したりする。テレビのリモコンが届かないので、諦めてチャンネル変えず。

6・23
起床時一連(起き上がり、トイレ、歩行)通常より良い。お風呂に入って鏡で見ると、お臍が真ん中に近くなっていた(腰痛がひどくなって以来、身体に捻れが出たためかお臍の位置がかなりずれてしまっていた)。上半身の捻れ歪みも少し取れたような。痛みあるが我慢できる。午後から痛みでロキソニン。整形外科へ行く。玄関から階段降りる時、杖もつかずサッサと降りれてびっくり。診察中、Dr からまた手術の話しあり。するなら固定術との事。術中の写真が載った冊子をもらう。帰宅してから痛みあるが我慢できる。

6・24
5時頃、不快感と痛みで目が覚めてから、一日中、右臀部、右仙腸関節、右膝裏が痛んだり止んだりの繰り返し。20時半こらえきれずロキソニン。

6・25
夜中に職場の友達から電話あり。電話を切った後に激痛。仕事の話ししたからなのか? 起床時も激痛。自己判断で ノイロトロピンを一週間飲まなかった為なんだろうか? 調べると、『止めて初めて効果がわかる薬』とある。今朝より再開する。痛みは変わらず、体位でしのいだり、ベンチ療法やお腹揉み行う。軽減するが夜になって痛み強くなる。左足に比べ右足が冷たい。以前から左股関節を揉むと左足は温かくなっていたが、右股関節揉んでも右足は温かくならない。

6・26
痛みで何度も目が覚めるが我慢して眠れた。起床時激痛で何とか起き上がるが身動き取れず、ロキソニン。その後、歩行以外は強い痛み無いが、左側臥位になると右下腿が強く吊りだす。小殿筋や右大腿裏を押したり摘んだりする。すると、起き上がりの痛み良い。ホント吊り出す時と吊ってる時の痛みは、たまらないつらい。

6・27
早朝痛み出し、ロキソニン。起床時痛い痛い。痛んだり止んだりで夕方まで過ごし、ロキソニン。その後、またお腹揉んだり、胃の辺り、わき腹とか揉んだりする。随分楽になる。左右腰にシコリがあり、押すと凄く気持ち良い。

6・28
4時頃痛みで目が覚めロキソニン。再入眠する。起床時痛いが、ベンチ療法やお腹揉みで軽減。その後痛んだり止んだり。しつこく痛み続き、夕方ロキソニン。せっせと、お腹や腰、臀部揉んだりする。夜になって楽になる。

コンテンツ作成・責任者:佐藤恒士(さとうつねし)


整体治療歴約25年。自力整体法、長谷川淳史先生のTMSメソッド、石川県小松市の整形外科医、加茂淳先生からトリガーポイント療法等を学び、現在は、トリガーポイント理論を多くの方に広める為にトリガーポイント研究所を設立し筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の啓蒙活動と後進の育成に力を注いでいます。詳細はこちらを参照ください。

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