腰痛体験記②
平成21年10月
自然良能会SG治療所
・骨盤が限界までズレている。正せば症状は全て治る。3回で治る。
・どのようにズレているのか尋ねると『複雑だから説明しにくい』と言われた。それでも必ず治る、ここは最後に来るところと力強く言われ信じたくなった。6回くらい立て続けに通いその後週1通い。楽になってきたが、歩くと右傾きで痛みが出て長くは歩けず、左肩胛骨下の痛みも取れなかった。腹部の強張ったバシバシ感も残ったまま。それを訴えても、仰臥位で足の長さは揃っている、膝を立てて高さが揃っている、いま歩いたら何の問題も無いじゃないかと言われる。30分くらいで元に戻ると言ったら首を傾げるだけで、長い期間患っているからまだまだ時間がかかると言われた。来た当初に比べたら楽にはなっていたのでもう少し続けようと4月終わりまで通った。自然良能会が発行してる月刊誌は調整と合わせてバンド療法を勧めている。尋ねると『しなくても治る』と言われた。いまいち納得がいかなかった。
☆ワンポイント解説
「骨盤の歪み」「骨のずれ」などと言われますが、骨盤や骨がひとりでに動くわけではなく、その周囲の筋や靱帯にアンバランスが生じているのです。従って、骨格の歪みを作っている筋や靱帯のアンバランスを調整しなければ、一旦整えた骨盤の歪みや骨のずれは戻ってきます。
筋や靱帯のアンバランスが骨格の歪みを作り、それと同時に、筋や靱帯のアンバランスが疼痛を引き起こしているということです。
筋や靱帯のアンバランスから生じた骨格の歪みが、二次的、三次的に周囲の筋や靱帯のアンバランスを作り、それが痛みを生じさせるという連鎖も始まりますので、骨格の歪みを正すことで消失する痛みなどの症状はあります。
約85%の人に左右の脚の長さに差があるという研究もあり、脚の長さが違っていても異常とは言えないし、揃ったからと言って症状が消失するとは限りません。
平成22年5月
自然良能会SM治療所
・骨盤調整、フットバス、電気、ローラー、バンド療法
・骨盤が右に上がっている。背骨が左に曲がっている。骨盤を正せば治る。バンド療法を行えば効果は必ず出る。
・自然良能会SG治療所で治らなかったのは、バンド療法を指導してないからと言われた。
すべり症や椎間板ヘルニアもたくさん治してきたとの事で、完治した人も再発予防に月に2回通っていた。週2回通い、それでも回数が少ないと言われ、一時は1日で2回施術をする事を続けたりした。バンド療法も毎日欠かさず行い、指導された通り起床から寝るまでバンドを身体に巻いていた。けれど、通う前と比べて状態は良くはならず頚の吊りが酷くなっていった。質問してもまともな答えは無かった。
週2回休みの度に通い、そこで五時間ほど過ごし『この治療でしか治る事は出来ない』と云うのを聞き続けると、止めるのが恐くなっていた。休日の度に通うのも身体的に負担で、遠い道のりを今日行けば明日は違うかもしれないと自分で励ましの言葉をかけて通った。けれど、不勉強さが目に付いたり、施術中にテレビに夢中になったり、バンドを巻くと首が吊りだしたり股関節が痛んだりする等の相談に一応巻き方を考えてくれるのだが、やはり痛みは発生し最後は『わからん、自分で考えてみて』と困った顔で返答されたりで不信感がつのった…治療費が惜しいと思い始めた。
その頃、膀胱炎をしょっ中おこしていたり、急に身体が硬直してしまう事が度々起きた。5ヶ月通って、30万円近く遣った。バンドもたくさん買った。生活費を切り詰め、貯金を崩したりしての治療だった。バンドをつけなくなったら、頚の吊りがいっぺんに無くなった。
☆ワンポイント解説
治療を行う場合、問診、動診、触診などを通して、原因の把握とその対処法を推定します。 その推定に基づいて治療を行うのですが、その推定が間違っている場合もあります。また、治療はすべて身体の反射という作用を使っていますので、その治療によって思わぬ反射が生じたり、思わぬ連鎖を起きる事もあります。従って一旦治療を行った場合、1週間~10日間ほど様子を見て、その間の身体の変化をチェックすることで、推定の正しさや、治療の的確さを確認することができます。 1日に2回とか、毎日という治療を行った場合、前回の治療の評価ができませんので、よりよい治療が望めなくなります。 ※反射とは無意識下で生じる反応の事です。
平成22年10月
ハンドパワー(気功みたいな)
・直後に腰の痛みがひいてびっくりした。2日間くらい腰が軽かった。しかし2回目の時は効かなかった。その時、狭心症の発作が起き、それも取れると云われたがいつものように自然と止まったような気がする
OR鍼灸灸治療院
・鍼、電気、施術
・腰の骨が曲がっている。筋肉に柔軟性がない。腹筋をつけるように。
・2ヶ月くらい週1で通う。鍼を打った直後は少し良いが、何時間が立てば戻った。
自力整体
・悪くはないけど効果も感じなかった。週1で2ヶ月くらい通った
平成22年11月
指圧のY治療院
・全身指圧
・大病後の様に右腰の筋肉が薄くなっている。深層筋を鍛えるストレッチを勧められた。
・指圧は効果が感じられず5回で止めた。通いながら、バランスボールやバンドを使ってストレッチを始めた。深層筋が強くなっているか実感無かったが続けた。状態変化無し
真向法
・自宅で朝晩行った。・悪くもないけど良くもない
平成23年1月
A塾
・足揉み
・腰痛や不調は足の裏の汚れが原因と
・腰痛には効かなかった。方向違いの感じがした。熱心に足揉みの必要性を説明してくれるので七回くらい通った。
E堂(気功)
・気功、整体
・気が少なくなっているから腰痛が治りにくなっている。
・治療後腰が軽くなった気がした。その日から睡眠薬を飲まなくてもぐっすり眠れるようになった。しかし腰痛には効果は見られなかった。
トリガポイント・H
・TP除去
・自宅に配布された情報誌で知った。電話して尋ねるとお腹に原因があるのでは無いかと言われた。2回目で腹部の強張りが取れて駐車場まで普通に歩けたが、帰宅したら戻った。3回目も同様だった。トリガーポイントの理論は正しいと思えるので別のトリガーポイント治療所に行ってみようと思った。
平成23年2月
トリガーポイントT治療院
・トリガーポイント整体
・期待したようにはなかった。1回で止めた
☆ワンポイント解説
トリガーポイントの視点がない治療法では、効果的な治療ができない事がありますが、残念ながら、筋筋膜性疼痛症候群やトリガーポイントの治療を行っているからと言って、治療がうまく行くとは限りません。治療というのは、知識やスキルを学べばOKというものではなく、患者さんの心身の状態を把握できる感性が求められます。
また、人の身体は百人百様ですので、トリガーポイントの本を読んだから、トリガーポイントの治療法を学んだからと言って、すぐに効果的な治療は出来ません。治療に関わる方は、多くの経験を積み、感性を磨き、真摯によりよい治療法を追求して行く姿勢が必要です。
この手記を書かれたFさんは、上記のようにトリガーポイントの治療院を2カ所受診されたにも関わらず、思ったような効果は得られなかったのですが、直感的にトリガーポイントの理論の正しさを確信されていたため、この後もトリガーポイント治療が出来る治療院を探されます。
コンテンツ作成・責任者:佐藤恒士(さとうつねし)
整体治療歴約25年。自力整体法、長谷川淳史先生のTMSメソッド、石川県小松市の整形外科医、加茂淳先生からトリガーポイント療法等を学び、現在は、トリガーポイント理論を多くの方に広める為にトリガーポイント研究所を設立し筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の啓蒙活動と後進の育成に力を注いでいます。詳細はこちらを参照ください。