痛みの多く(80~90%)は、2週間ほどで消失すると言われていて、腰の痛みや膝の痛みを感じても、数日は特に気になっても、時間の経過と共にあまり気にならなくなって、10日前後経つ頃には忘れてしまっている事が多いものです。しかし、数週間経ってもなかなか痛みがひかず、治まるどころかだんだん痛みが強くなって慢性化するケースがあります。当サイトを訪問されている方の多くは、このように慢性化した痛みで困っている方でしょう。
先日、トリガーポイント研究所に痛みの相談に来られた方は、30代の女性でした。 半年ほど前に突き指をして、未だに治らずに困っているという事でした。指先を使うお仕事なので、とても不自由をしているという事でした。見させていただくと、確かに指の付け根の関節が腫れていて、そこを押すと痛みを訴えられます。 さらに手を握る動作でも痛みを感じ、指を完全に折りたたむ事ができなく、力も入らないという事です。
このような場合に考えなければならないのは、なぜ痛みが消失せず痛みが続いているか? つまり何か治癒力を阻害しているものがあるから、治りにくくなっているという事です。その治癒力を阻害しているものを見つけて、それにアプローチしなければ、慢性化した痛みは改善できないと言うことです。
指や手、腕などの障害で、なかなか治らない痛みやしびれがある場合は、まず「斜角筋」のトラブルをチェックしなければなりません。
この筋肉のトリガーポイントは腕、手、指、胸、背中など、上半身のさまざな領域に関連痛を引き起こします。 そしてこの関連痛領域に生じたトラブルは治りにくくなってしまいます。
この方の場合も、斜角筋のトリガーポイントを押さえて手を握っていただくと、痛みもなく、力も入ります。 押さえないで同じ動作をすると、痛みが生じ力が入らなくなります。 従って、斜角筋のトリガーポイントを指圧したり、PIR(ポスト・アイソメトリック・リラクセーション)を行いましたら、痛みがほとんど消失し、握力は快復しました。
コンテンツ作成・責任者:佐藤恒士(さとうつねし)
整体治療歴約25年。自力整体法、長谷川淳史先生のTMSメソッド、石川県小松市の整形外科医、加茂淳先生からトリガーポイント療法等を学び、現在は、トリガーポイント理論を多くの方に広める為にトリガーポイント研究所を設立し筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の啓蒙活動と後進の育成に力を注いでいます。詳細はこちらを参照ください。