今回はミトコンドリアと慢性疼痛について考えてみたいと思います。
ミトコンドリア研究の第一人者と言われています太田成男教授(日本医科大学)は次のように述べています。
「極端に言えば、病気とは『ミトコンドリアが足りなくなった状態』のことをいいます。身体には悪くなったところを治す力がもともと備わっていますが、治すためにはエネルギーが必要。
エネルギーが十分にあれば、すなわちミトコンドリアが十分にあれば、病気になっても必ず健康になることができるのです」
難病情報センターのサイトの「ミトコンドリア病」には次のような事が書かれています。
ミトコンドリア は全身の細胞の中にあってエネルギーを産生するはたらきを持っています。その ミトコンドリア のはたらきが低下すると、細胞の活動が低下します。たとえば、脳の神経細胞であれば、見たり、聞いたり、物事を理解したりすることが障害されます。心臓の細胞であれば、血液を全身に送ることができなくなります。筋肉の細胞なら、運動が障害されたり、疲れやすくなったりします。
難病情報センター(https://www.nanbyou.or.jp/entry/194)
久しぶりにスポーツをしたり、山登りをしたりしますと、筋肉痛が起きますが、数日もすれば自然に治癒します。
しかし、仕事が忙しかったり、寒さが続いたりしたような場合に、筋肉痛がなかな治らず、痛みが慢性化する事があります。
また、たいした事をしていないのに、すぐに筋肉痛が起きやすい方もおられます。
筋力が弱っていると思い、ジムなどに定期的に通っても、そのつど筋肉痛になり、半年、一年と通ってもその傾向が変わらない方もいます。
これらの例は「ミトコンドリア」の機能障害が関与している事が考えられます。
「ミトコンドリア病」とは言えないまでも、筋痛になりやすく、慢性疼痛になりやすい体質の方は、ミトコンドリアが少なく、そのために機能が障害されやすいのではないかと考えられます。
ミトコンドリアを増やすには・・・
筋痛になりやすい方、慢性疼痛化しやすい方に対しては、ミトコンドリアを増やす為のアドバイスが必要です。
上述の太田成男教授は次の様に述べておられます。
「エネルギーが足りない、と細胞が感じると、ミトコンドリアは増えるようにできています。
①身体に寒さを感じさせること。
②運動によってエネルギーを消費すること。
③そしてカロリー制限をすること。強めの運動を心がける、あるいは週に1回1食抜くといった習慣を続けるだけでも、2週間でミトコンドリアは増えていく。鍛えれば鍛えるほど、ミトコンドリアは増えてくれるし活性も出るのです」
コンテンツ作成・責任者:佐藤恒士(さとうつねし)
整体治療歴約25年。自力整体法、長谷川淳史先生のTMSメソッド、石川県小松市の整形外科医、加茂淳先生からトリガーポイント療法等を学び、現在は、トリガーポイント理論を多くの方に広める為にトリガーポイント研究所を設立し筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の啓蒙活動と後進の育成に力を注いでいます。詳細はこちらを参照ください。