トリガーポイントとは?腰痛・肩こり・関節痛などの痛みの原因です。

トリガーポイント研究所

痛みが治りやすくなるには

トリガーポイントという概念を知ったのは2001年頃でした。
当時はトリガーポイントに関する書籍は、私が調べた限りでは1冊しかなく、それもトリガーポイントの理論に関する部分が多く、関連痛図もそう多くはありませんでした。

しかしながら、患者さんが痛みを感じている所へのアプローチでは改善しないような時に、その本に書かれている関連痛図を元に、原因と思われる箇所へ施術を加えると軽快する経験を積み重ね、常にトリガーポイントの関連痛図を頭に入れて施術をするようになりました。

その後、原因と思われるトリガーポイントを弛めても、効果が薄かったり改善しない事がある事が分かってきました。また、その場では一旦改善しても、すぐに再発する場合もあり、「これはトリガーポイントが生じる原因まで考える必要がある」と考えるようになりました。

そこで、筋筋膜性疼痛症候群について調べて行きますと、トリガーポイントが出来る原因、治り難くなる要因について次のような事が挙げられていました。

1,外傷
2,老化
3,神経根の圧迫
4,心理的ストレス
5,内分泌で代謝性欠乏症
6,栄養不足
7,慢性感染症
8,慢性的筋肉アンバランス

この中で「慢性感染症」「内分泌で代謝性欠乏症」などは、施術家ではいかんともしがたいと思える項目ですが、それも含めて施術ができるようになったり、患者さんへのアドバイスができれば、施術効果は大きく上がるようになり、患者さんの生涯的な健康度もアップします。

1,外傷

外傷にはケガをして病院で縫って貰ったという分かりやすいケガもあれば、スポーツなどで受ける衝撃など、患者さん自身はケガと認識されていないものもあります。

「スノーボードで転倒した」「格闘技で頭部に打撃を受けた」などは、その時は痛かったけどその後痛みを感じなくなると、本人はケガと認識されていませんが、その衝撃の影響が残っている場合があります。

問診時に、スポーツでの転倒や格闘技の経験があるのかを尋ねる事によって、現在の症状の遠因が分かる事があります。

2,老化

老化による機能の低下を防ぐには、「栄養」と「歩行」が肝心であることを皆さんご存知ですが、その内容をしっかり把握されている方は少ないものです。

栄養面

「毎日30品目摂るように心がけています」「緑黄野菜を多めに摂っています」など、栄養の事には気を遣っている方も多いのですが、身体の原料である蛋白質や脂質をどのくらい摂ればいいのか、タンパク質の合成に必要なビタミン・ミネラルがどのくらい必要なのかはご存じない方が多いと感じます。

栄養の問題は老化による機能低下を防ぐだけでなく、「痛みを治りやすくする」「再発しにくくする」という面でも大切なテーマですので、是非学ばれて下さい。

「質的栄養不足」を参照下さい。

歩行

身体を動かすことの重要性も皆さんご存知ですが、「スポーツをすれば健康的」と思われている方も多いようです。
しかしながら、スポーツは筋筋膜を損傷させることもありますし、息が上がるほどの動きは活性酸素を発生させて身体の害になることもあります。

なによりお勧めは「歩行」です。

1日に4000歩以上歩く事で、さまざまな疾患にかかりにくくなる事が研究で分かっています。
そして歩行中に中強度の速歩を交えることで大きな効果が得られるようです。

詳しくは「中之条研究」をご覧下さい。

3,神経根の圧迫

一般に「神経が圧迫されて痛みが出る」と信じられていますが、生理学的にはそのような現象は確認されていません。トリガーポイント治療の第一人者 加茂整形外科医院の加茂淳先生は次のように述べられています。

椎 間板ヘルニア、脊柱管狭窄が痛みやしびれの原因となることはありません。痛みやしびれは神経症状ではありません。神経がヘルニアや脊柱管狭窄などで圧迫を 受けても痛みやしびれが出ることはありません。足裏の神経を想像してごらんなさい。妊婦のおなかを想像してごらんなさい。

神経は圧迫に対してとても強く、圧迫したぐらいでは何もおきません。強く絞扼(しめつけ)すると麻痺が生じます。つまり、無感覚、運動麻痺が生じます。

加茂整形外科医院 HPより

神経の圧迫と痛みの直接的な関係は認められていませんが、神経と筋肉は親子のように密接な関係ですので、神経が筋や腱などによって圧迫や絞扼を受けたりすると、神経に栄養・酸素が行き渡らなくなるなどから、神経の機能不全が生じ始めます。

その影響を受けて、筋の萎縮や筋力低下が生じるなど、筋・筋膜にも影響が出て来ます。

臨床では、足の痛みや違和感があるような場合に、大腿部の坐骨神経の走行に沿って筋膜や腱などを弛めますと、その下部にある足の筋・筋膜が弛み、痛みや違和感が低減します。

神経根は脊髄の左右から出る神経の根元の部分で、この周囲の靱帯や腱が硬くなりますと、その神経の機能の低下が生じる事があります。

例えば足の外反・内反、底屈・背屈が出来ないような患者さんの、腰椎2番~4番あたりの靱帯・腱・骨膜などを弛めますと、瞬時に足の動きが改善する事がみられます。

こういった事から、神経の出口や通り道へのアプローチの有効性が確認できます。

4,心理的ストレス

心理的ストレスの影響は大きく、ストレスの軽減が患者さんの健康度を上げるにも、施術効果をアップするにも重要であることは間違いありません。

施術の場ではこの心理的ストレスを3つに分けて考えてみたいと思います。

施術者の心構え

長年痛みで悩まれている方は、不安を抱えておられますし、さまざまな治療を受けても治らなかったということから、治療や施術に対して不信感を持っていらっしゃる場合もあります。

そのような方に信頼して頂くには、施術者の心構えが最も大切だと思っています。
「どんなお話しでも聴きますよ」(施術者の価値感は挟まない)
「安心してお話しください」
という心構えがあれば、それは温かな雰囲気として患者さんに伝わり、安心・信頼につながると思います。

誤った情報

一般的に痛みの原因は「構造的な要因」や「老化現象」として捉えられています。
高齢の方が腰を痛めて医療機関を受診し「脊柱管狭窄症」による痛みだと診断されますと、脊柱管の狭窄は老化現象であり、手術をしたくない場合は「痛み止めと湿布」で我慢しなくてはなりません。

マッサージでもして貰えば少しは楽になるかもしれないと代替医療の門を叩きますが、「老化現象だから・・・」とあきらめている方もおられます。

そこで、痛みの原因は「構造的な要因」ではなく、筋・筋膜、靱帯などの運動系の機能障害であり、回復の可能性があることを理解して頂く事で、患者さんのストレスは減り、モチベーションがあがります。

認知の偏り

認知(信念・価値感)には、誰しも偏りがありますが、痛みが慢性化したり、増悪する背景には認知の偏りがみられる場合があります。

私たちは心理の専門家ではありませんが、患者さんの認知の偏りにそれとなく気づいて頂くような会話を心がけることで、患者さん自身が気づかれることもあります。

アドラー心理学などを学ばれると、患者さんの手助けになるでしょう。

5,内分泌で代謝性欠乏症 6,栄養不足 7,慢性感染症

この三つの項目の内、5・7も栄養不足の問題として捉えることができます。

ホルモンのバランスが乱れる、感染症が治りにくいということの背景には、身体の原料である「タンパク質」の不足、ビタミンB群やビタミンCなどのビタミン不足、鉄やマグネシウムなどのミネラル不足があります。

8,慢性的筋肉アンバランス


慢性的な筋肉のアンバランスには、私たちの動きや姿勢の維持に関わっている「筋膜ライン」を整える施術とセルフケアの両輪が必要です。

自己回復出来なくなっている、筋膜や骨膜がありますと、セルフケアではバランスをリセットする事が出来ませんし、動きや姿勢の維持は脳が学習している「運動パターン」を書き換えなくてはなりませんが、これは他力による施術では出来ず、セルフケアが必要です。

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