痛み治療では患者さんの症状の背景にある物語を十分に聴かせて頂く事が重要なので、これまでもアドラー心理学やトランス・パーソナル心理学などを学んできましたが、このたび基礎的な「傾聴講座」の受講を始める事にしました。 心身医学や疼痛学の著書をいくつも著しておられる、永田勝太郎先生は次のように述べられています。
「慢性痛みの患者さんはさまざまな心理過程を通る。それを十分理解してアプローチしないと、よい治療には至らない。まず、多くの慢性痛の患者さんはドクターショッピングを繰り返し、その結果、医療不信や怒りを持ち、また長い経過の中で抑うつ的にもなっている。こうした感情は抗うつ剤の使用だけでは治まらない。医師や心理士よる心理療法的介入が必要な所以である。怒りは誰かが受け容れないと消滅しない。すなわち、怒りの発散にはなんらかのカタルシスが必要である。カタルシスはリラクセーションの結果、もたらされる。 最も手っ取り早いリラクセーション・カタルシスは「話すこと」である。それも医師が患者さんの話を聞くことが一番有効である。医療における「傾聴」は重要である。交流分析を創始したエリック・バーンは「語ることは食事以上に必要なことだ」と言った。治療者には患者さんの語りをカウンセリングレベルまで引き上げ、さらに医療面接にまでする技術が必要である。」 永田勝太郎著 「痛み治療の人間学 (朝日選書)」より

コンテンツ作成・責任者:佐藤恒士(さとうつねし)

整体治療歴約30年。
トリガーポイント療法を基盤に臨床経験を重ね、トリガーポイント研究所を設立。筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の普及と後進育成に取り組む。
現在は、痛みを「生体防御反応」として捉える新たな理論「身体構造ネットワーク調整学(Safety-Based Body Network Regulation)」を提唱。
構造・神経・状況の入力と防御バイアス、そして脳の安全性評価という視点から、痛み・筋緊張・運動制限を統合的に再定義し、臨床・セルフケア・教育体系の構築を進めている。

