足首の捻挫
年明け早々に受診されたのは石段で足首を捻挫された方でした。
捻挫は湿布を貼って自然に治るのを待つしかないと思われていたようで、「捻挫した所を触っていいんですか?」と不安そうに訊ねられました。
足首の捻挫の場合、殆どが「内反捻挫」で、この方も内反捻挫でした。
内反捻挫の場合、腓骨筋群が急激に伸張され、その瞬間に伸張反射が生じ、急激に短縮した部位に機能障害が残ります。
従って、下腿の腓骨筋群を辿って行くと過敏になった圧痛点(トリガーポイント)が見つかり、その部位が自己回復できなくなっている所です。
その圧痛が感じなくなる位置に筋・筋膜を導きますと、過敏な圧痛が解消して行き、すぐに普段通りに歩けるようになります。
腰椎ヘルニア
腰の痛みと大腿部前面に走る痛みの方は、医療機関で「椎間板ヘルニア」という診断を受けておられました。
動作分析をしますと、下記の三点の特徴が分かりました。
①立位より座位の方が症状がつらい。
②後屈でも痛みが出るが、前屈時の方がつらい。
③前屈時に内転筋群を過剰に使う運動パターンが見られる。
この事から、前屈に関与する「腸腰筋」「大腿直筋」「大腿筋膜張筋」「内転筋群」のトラブルである事が推定できます。
これらへのアプローチで、ほぼ痛みを感じない程度まで改善されました。
知られていない痛みの原因
上記お二人の例のように、痛みの多くは筋・筋膜のトラブルであり、自己回復できなくなっているトリガーポイントへのアプローチで症状は大幅に改善します。
痛みの原因がヘルニアなどの構造的トラブルであると考えている方が多く、この事が慢性疼痛が遷延化してしまう要因になっていると思います。
コンテンツ作成・責任者:佐藤恒士(さとうつねし)
整体治療歴約25年。自力整体法、長谷川淳史先生のTMSメソッド、石川県小松市の整形外科医、加茂淳先生からトリガーポイント療法等を学び、現在は、トリガーポイント理論を多くの方に広める為にトリガーポイント研究所を設立し筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の啓蒙活動と後進の育成に力を注いでいます。詳細はこちらを参照ください。