肩こり・首こりの方の肩や首を弛めてもなかなかスッキリしない事があります。
また、その時は楽になったように感じていても、数時間もしくは数日で症状が戻ってくる事もあります。その原因の一つに「横隔膜の硬直」があります。
逆に言えば「横隔膜」の調整を先行して行えば、肩こり・首こり・背部痛に関する筋・筋膜の施術が楽になります。
1)呼吸補助筋が過剰に使われる
呼吸は主に横隔膜,肋間筋. 腹筋などで行われますが、呼吸補助筋として 胸鎖乳突筋,斜角筋,僧帽筋,大胸筋 小胸筋なども使われます。
100mを全力疾走したあと、横隔膜や肋間筋の動きだけでは酸素が足りない為、呼吸補助筋を総動員して息を吸おうとしますので肩が大きく上下します。
横隔膜が硬直し働きが悪くなりますと、平常時でも呼吸補助筋を過剰に使って呼吸をするようになり、そのため肩や首が凝るようになります。
2)横隔膜は姿勢の維持に働いている
横隔膜は姿勢の維持,脊柱の減圧,体液の流動性,内臓機能の安定などの働きも担っており、その影響は全身に及びます。
添付の図をご覧下さい。横隔膜~頭頂部、横隔膜~背部、横隔膜~臀部まで筋膜の連鎖が繋がっている事が分かります。
(出典「筋・筋膜」:医歯薬出版株より)
このような働きをしているため、横隔膜の動きが悪くなりますと、その影響を受けて背部~肩・首が緊張してきます。
<改善法>
すべての筋・筋膜について言えることですが、筋の起始・停止及び繋留点に負荷がかかるため、付着部が機能不全に陥っている事が多いのです。
そこで、横隔膜の起始・停止を確認しましょう。
横隔膜は胸骨部・肋骨部・腰椎部の三箇所に付着しています。
①胸骨部:剣状突起に付着。
②肋骨部:肋骨 7 番から 12 番の内側面に付着
③腰椎部:筋繊維は腰椎 1 番から 3 番の椎体の前部に付着
これらの付着部をリリースすることで、横隔膜の働きは復活し、肩こり・首こり・背部痛が大きく改善します。
コンテンツ作成・責任者:佐藤恒士(さとうつねし)
整体治療歴約25年。自力整体法、長谷川淳史先生のTMSメソッド、石川県小松市の整形外科医、加茂淳先生からトリガーポイント療法等を学び、現在は、トリガーポイント理論を多くの方に広める為にトリガーポイント研究所を設立し筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の啓蒙活動と後進の育成に力を注いでいます。詳細はこちらを参照ください。