トリガーポイントとは?腰痛・肩こり・関節痛などの痛みの原因です。

トリガーポイント研究所

身体のシステムから診断し施術を考える

下図は九州大学総長(2019年9月現在)の久保千春先生の講座を受講した際に頂いた資料の中にあったものです。

これを見るたびに思いますのは、「身体のシステムって精妙に出来ているな~」ということと、「このシステムが分かって診断や施術を行うのと、そうではないのとでは、大きな差があるだろうな」ということです。

身体のシステム

簡単に説明すると、左側にある感覚系からの入力があると、下垂体を介して生体恒常性のトライアングルである、自律神経系-内分泌系-免疫系が身体の内外の変化に対応します。
これには、内臓諸器官も影響を受けます。痛み感覚も同様のシステムです。

痛みが長引き、慢性化するに従って、自律神経系が乱れ、内分泌系や免疫系のトラブルが増えて来て、「私の身体はどうなっているんだろう?」というような状態になって来ますが、この図を見れば、なぜそうなって行くのかがよく理解できます。

注目すべきは、生体恒常性のシグナルの一部が「大脳辺縁系」に戻るということです。
つまり自律神経系・内分泌系・免疫系そして内臓諸器官の変化によって、感情が動くという点です。
身体の調子が良いときの晴々とした気分、体調が悪い時の憂鬱な暗い気分は、このシステムによって起きています。

また右上のように、私たちに何らかの「出来事」が生じますと、その出来事を認識・評価して「感情」が生まれ、感情は生体恒常性に変化を起こします。プラスの感情であってもマイナスの感情であっても身体は必ず変化します。

痛みは辛いものですが、この「辛い」と感じたり、気持ちが沈むのはこのシステムがあるからです。
何らかの原因で痛みが生じたときは反射でそれから逃げようとしますが、もしその痛みに対して「辛い」「二度と嫌だ」という感情が湧かなければ、また同じことを繰り返すこととなります。

「辛い」とか「嫌だ」という感情が生じる事によって、同じ過ちを繰り返す事を防いでいます。
つまり、これは生命を維持するためのたいせつなシステムということであす。
しかし痛みが長期化することによって、気分が落ち込み、それがまた生体恒常性を乱すという悪循環が始まるという負の面もありますので、痛みを早期に改善する必要あり、それに貢献出来るのがトリガーポイントの視点です。

患者さんが訴えられる心身の様々な複雑な愁訴を、この図に従って診るとどこに問題があるのか、どこへアプローチすれば良いのかが見えてきます。

コンテンツ作成・責任者:佐藤恒士(さとうつねし)


整体治療歴約25年。自力整体法、長谷川淳史先生のTMSメソッド、石川県小松市の整形外科医、加茂淳先生からトリガーポイント療法等を学び、現在は、トリガーポイント理論を多くの方に広める為にトリガーポイント研究所を設立し筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の啓蒙活動と後進の育成に力を注いでいます。詳細はこちらを参照ください。

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