ケネディ大統領の主治医だったトラベル博士が著した「トリガーポイント・マニュアル」では、痛み治療において治癒力を阻害している要因に目を向け、それを解除していく事が最も重要だとしています。
実際、痛み治療に関わっている、医療関係の方や治療家の方は、重症なのに短期間に改善して行く人、軽症なのになかなか治らない人を必ず経験しておられると思います。
トリガーポイントは思わぬ所に痛みや異常な感覚をもたらしますので、これまでの「痛むところへの治療」、「異常な感覚を感じている所への治療」が上手く行かなかった事をこれまでも述べてきました。従いまして、痛みや異常感覚の引き金(トリガー)となるポイントを見つけ出し、それを治療することによって、長年治らなかった症状が改善しますが、「治癒力を阻害する要因」がいくつもありますと、原因となるトリガーポイントへの治療を施しても、なかなか結果が出にくかったり、一旦は改善がみられても、数日、場合によっては数時間で戻ってしまう事になります。
そのような時に私が重視していますのは、トラベル博士が書かれた事はもちろんですが、次の要因の解除を心がけています。
- リンパ液停滞の改善
- 内蔵機能の回復
- 過敏性の解除
- 不安の解放
- 関節のブロックの解除
これらの要因がありますと、身体には無意識の緊張が入りますので、治療への反応が大幅に低下します。つまりこれらの要因の解決なしで治療を受けても、「労多くして功少なし」という事になります。
コンテンツ作成・責任者:佐藤恒士(さとうつねし)

整体治療歴約30年。
トリガーポイント療法を基盤に臨床経験を重ね、トリガーポイント研究所を設立。筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の普及と後進育成に取り組む。
現在は、痛みを「生体防御反応」として捉える新たな理論「身体構造ネットワーク調整学(Safety-Based Body Network Regulation)」を提唱。
構造・神経・状況の入力と防御バイアス、そして脳の安全性評価という視点から、痛み・筋緊張・運動制限を統合的に再定義し、臨床・セルフケア・教育体系の構築を進めている。

