「ぎっくり腰」と似た症状で「ギックリ背中」というつらい痛みがあります。ぎっくり腰と同じようにある日突然起きるのですが、軽く咳をしたり息を吸ったり吐いたりするだけでも痛むので、日常生活がままならなくなります。
ギックリ背中ほどの痛みではなくても、背中の痛みや不快なコリは気分が低下しますし、眠りが浅くなってQOLが下がってしまいます。
痛みやコリを改善に導くには、深部の姿勢筋を弛めることと脊椎の動きを改善させることが大切ですが、背部の痛みは特にそれらの調整が重要となります。
多くの背部痛は上記の施術で楽になりますが、どうしてもしつこい痛みが残る場合があります。そのような時に役立つ施術法をお伝え致します。
広背筋のトリガーポイント
背中のしつこい痛みを作る代表的なトリガーポイントは広背筋に見つかります。
右側の下図(A)の×印の辺りを押圧してみて下さい。かなり鋭い痛みが感じられます。
鋭い痛みが感じられる所の皮膚をストレッチするように押圧すると痛みが少しずつ緩和してきて、背部で感じていた痛みが消失・低減して行きます。


トリガーポイントへのアプローチでは改善しない場合
腋の下あたりに見つかるトリガーポイントへのアプローチで一定の効果が見られるものの、まだ痛みや不快感が残ったり、施術時はとてもいい感じなのに、数日で戻ってしまうという場合があります。
そのような時は「起始-停止アプローチ」を試してみて下さい。
左上図の広背筋の図を見て下さい。
広背筋は上腕に付着し、背中を下って腸骨陵に付着しています。
トリガーポイントが生じると筋の短縮・過緊張が始まりますので、上腕や腸骨陵の付着部にも負荷がかかります。
これらの付着部がトラブルを起こすとその反射によって広背筋が緊張しトリガーポイントが弛みにくくなります。
そこで、広背筋のトリガーポイントを押圧しながら、上腕の付着部、腸骨陵の付着部を同時に押圧します。
すると広背筋のトリガーポイントがふわぁっと弛んで来ます。
付着部との同時押圧で背部のしつこい痛みが改善して行きます。
コンテンツ作成・責任者:佐藤恒士(さとうつねし)

整体治療歴約25年。自力整体法、長谷川淳史先生のTMSメソッド、石川県小松市の整形外科医、加茂淳先生からトリガーポイント療法等を学び、現在は、トリガーポイント理論を多くの方に広める為にトリガーポイント研究所を設立し筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の啓蒙活動と後進の育成に力を注いでいます。詳細はこちらを参照ください。