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反応性神経症傾向

長年痛みで苦しんでおられる方は、痛みに敏感だったり、ちょっとした身体の変化に過剰に反応されたり、こだわり性になったりします。周囲の方はそのような傾向を見て、「あなたが神経質だから痛みが治らないのよ、もっと大らかにしたら・・・」とか「そんなこだわり性だから治るものも治らなくなるんじゃない」と追い打ちをかけるような言動をされることがあります。

しかし、筋痛が長く続きますと、それまでにはなかった心理的な変化が起き、神経質になったり、こだわり性になったりします。「以前はそんな事は無かったんだけど・・・」と患者さん自身も言われます。このような心理的な変化を「反応性神経症傾向」と呼びます。

北見公一先生が書かれた「脳の痛み 心の痛み―慢性痛からの解放をめざして 」の中に次のような記述があります。

 ・・・社会人としてのバランスをなんとか保っている人が、ある契機で社会不適応状態になっても、「この人はもともと神経症だったから」などと言う人は誰もいないでしょう。社会を構成する人々の社会適応状態には幅があるということは、仮定というより、一般的な事実と捉えてよいと思います。

もうひとつ以下のような事実もあります。すなわち、脳外科手術を含む他の一般的な手術の術後や、内科的な病気(糖尿病や慢性肝炎、腎不全など)の治療の過程でも、一過性の神経症傾向や抑うつ状態を示す患者さんがいるということはよく知られています。つまりどのような病気や外傷においても、反応性に神経症症状や抑うつ症状を呈する人は必ず存在するということなのです。また、むち打ちの患者さんは、受傷直後には通常の人々と変わらない心理的状態にありますが、症状が長引くにつれ、神経症傾向や抑うつ傾向が増して行くという研究結果もあります。

これらの事実から私どもは、慢性痛と神経症をはっきり区別しており、慢性痛患者さんの神経症傾向や抑うつ傾向については、反応性神経症傾向あるいは反応性抑うつ傾向という表現を用いるのが最適だと考えています。反応性とは、周囲の社会状況から、通常だれであっても、そのような状態にならざるを得ない、という意味であります。

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2011年8月2日

所長の佐藤です。

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