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トリガーポイント研究所

十二月二十日「権威と権力」

かつて、日本は「縦社会」の国だ、と言われたことがあった。当時も、なんだか耳障りな言葉だなと言う想いをした記憶があるが、今もなお違和感を覚える。どうしてだろう。

「縦社会」という言葉には、独裁的権力者が全ての人民を支配する意味で使われているように思われるが、日本は違うのではないか。

ずっと昔は別として、源頼朝以来徳川幕府に到る武家政治が、実質的に国民を支配してきた。しかし、形式的には、朝廷の了解を得てして来たことである。

顧みると、例外は、後醍醐天皇が政権を北条氏から取り上げ、自ら政治をされようとしたこと(結果、後醍醐天皇は北条氏の反乱を招き、隠岐島に配流。悶々の裡に崩御された)と明治維新以後、第二次大戦までの間のことに過ぎない。

明治以後の時代も、実質的には軍を中心とした一握りの指導者によるものであって、天皇は形式的支配者に過ぎなかった。

こうしてみると、日本は政治を行なう権力者と、国民の精神的団結の中心、所謂(いわゆる)象徴との二重構造と言わなければならない。

翻(ひるがえ)つて欧米はじめ外国では、習近平の中国も、プーチンのロシアも民主主義国家以外は、唯一人の権力者による独裁政治であり、アメリカは民主主義国家というものの、トランプ大統領になってからは、以前と異なる絶大な権力を保持している。

そこにゆくと。今の日本の天皇陛下は、形式的な国会開会の詔書を読まれるだけで、一切の政治的権力の外にあらせられる。

日本は上に皇室を頂きながら、政治の責任と義務は内閣総理大臣が負うこととなっている。

本当の意味で、実質的民主主義国家は日本だけではないかと思うがどうだろう。

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