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三、会釈(エシャク)

日常しばしば顔を会わせても、会釈は交わすのだが、話をしたことはないという人も少なくない。会釈の原義はなんだろう。

漢字源の「会釈」では、
①仏の教法を理解し解釈する。
②挨拶としてお辞儀をすること。
③相手となってもてなすこと。
なお、②③は日本語での用法と説明している。

次に広辞苑をみると、
①和会通釈の意。前後相違して見える内容を、互いに照合し、意義の通じるようにすること。
②前後の事情をのみこんで理会すること。
③相手の心をおしはかって応対すること。
④おもいやり。おもいやりのある顔。愛嬌。
⑤にこやかにうなずくこと。軽く首を垂れて一礼すること。挨拶。お辞儀。と述べている。

どうも会釈の原義は仏教用語にあるらしく、いままで私が思い込んでいたものは、日本での用法であったようである。

そこで字統を覗いてみる。

会(カイ・エ=あう・あつまる)の正字は會。會は蓋のある食器の形の象形文字。下部は甑(こしき)の形で、その上に蓋のある器をおき、下から蒸すもので、蒸しものを料理することをいう。會は甑の初文である。器と蓋を合わせることから会合・会集の意となる。

釈(シャク・ゼキ=とく・すてる・おく・ゆるす)の正字は釋。釋は獣の爪をもって獣の屍を裂くことを意味している。獣の屍を分解する意より解釈の意となり、すべて紛乱(混乱)や欝結(ウッケツ=気が晴れないでふさぎこむこと)を釈(と)く意となると説明している。

これを見ると会釈とは、混乱しているものを解きほぐし、難解なものを解説することにあるようで、今日われわれがする会釈も、未知の人とのわだかまりを解きほぐし、知己(チキ=自分の心を良く知っている人(知人)となる手段であると、考えられるのではないか。

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2017年7月16日

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