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「あ と が き」

企(くわだ)てるの「企」は、白河先生の字統によれば、人が踵(かかと)を上げて立つ形の象形文字であるという。

また大和言葉の「くわだつ」は、広辞苑によると、爪先立つが原義で、そこから思い立つ・もくろむ・計画する意味にと発展して来たものという。いずれにしても、背伸びして周りの様子を窺う姿勢を示している。

古来「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」と言われるように、戦を始めるときは、先ず敵情を探り彼我の戦力を知ることが何よりも大事である。

にも拘らず、盧溝橋事変から日中戦争、さらには大東亜戦争へと、ひたすら戦線を拡大して行った旧日本軍は、「くわだてて」周囲を見回すことを一度もしなかったのではないか。

明治の先人達は、満州から遼東半島まで南下して来るロシアの脅威から国を護るための日露戦争を覚悟したとき、明治三十五年一月、事前に日英同盟を締結し、開戦前に英国の支持を取り付けていた。また、奉天会戦の勝利を見るや、国力が枯渇する前に、速やかに講和に持ち込むなど、もろもろの綿密な計画と客観的情勢判断をする高度な能力を備えて居た。

あの慎重かつ冷静さは、どこで失われたのだろう。

今考えてみると、極東の小国日本が大国ロシアに勝利した快挙に、国民はただ浮かれ、誇大妄想の状態になり、軍人もまた戦勝の甘酒(うまざけ)に酔い痴(し)れ、旅順港要塞攻略などの苦戦に耐えた日本兵の勇敢さのみを過大に評価し、ひたすら精神主義を信奉し、その後、兵器の改良整備などの必要性を唱える者は、卑怯者扱いされる風潮が蔓延していたのではあるまいか。

それから四十年後の昭和十八年に入隊した私達に与えられた小銃は、なんと、その明治三十八年型の三八式歩兵銃であった。この一事をもってしても、当時の陸軍の兵器改良の怠慢が証明される。

なお、終戦直前に召集補充されて来た兵士が、照星の無い銃を持たされていたのには、もはやわが国には真面(まとも)な兵器は無くなったのかと驚いたことである。

(注)照星(ショウセイ)=銃の照準具の一つ。銃口近くの銃身に固着させた小突起。手前の照門からこれを見て照準を定める。

昭和三十七年、私は日本生産性本部主催の米国企業視察団の一員として、米国各地を見学して回る機会に恵まれた。その折、米国が太平洋戦争遂行のため、軍艦に転用した民間の船舶数百隻を、次の戦争まで腐蝕しないように、淡水の河の入り江に繋留している現場を見せられ、あまりの国力の格差に驚嘆したことであった。

大東亜戦争開始前に、日米の国力を冷静に比較し、開戦に反対した海軍の山本五十六元帥のような高い見識を有する軍人も居たにも拘らず、その意見を無視し、ひたすら無謀な戦争に突入し、多くの兵士を死なせ、全国民を塗炭の苦しみに陥れたのは、偏(ひとえ)に陸軍の狂信的精神主義信奉にあったと思われる。

そして、そうした陸軍を醸成した日露戦争後の軍の指導者すべてに責任があるし、また、それを許した当時の識者やマスコミにも、一半の責任があると、私は考えている。

集団的安全保障に拘(こだ)わる安倍総理よ、国際情勢が刻々と変化する今日、毎日一度は「くわだって」周りを見回してもらいたい。(完)(平成二十七年六月)

2015年6月1日

所長の佐藤です。

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