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四、生活機器など(⑥ 時 計)

⑥ 時 計

昭和十年、中学に入学した。当時は、義務教育は小学校の六年間だけで、中学に進学するには、入学試験に合格しなければならなかった。私が小倉中学を受験したときは、入学定員二五〇名に対し、受験者は四〇〇名位ではなかったかと思う。だから難関などと言うものではなかったが、入試合格時に親父から腕時計を買って貰った。

当時のことだから、螺子巻(ねじまき)式のもので、値段はいくらしたのか覚えていないが、子供にとっては、時計は高価なものであったから、いたく感激し、自分の腕に、何度もつけたりはずしたりして、ちょっと大人の仲間入りしたような気分を味わったことだった。

その頃わが家の柱時計は、居間の柱にかけてあったが、八角形の文字盤で、その下に付いている長方形の小さい窓の中で動いている振子で時間調整をしている、いわゆる振子時計であった。これも一週間に一回は螺子(ねじ)を巻かねばならないので、その都度椅子に上がって、螺子巻をしていた。

螺子を巻き忘れると、時計は止まってしまう。そんなところから、だらけた態度・行動などを叱り励まして、きちんとさせることを「螺子を巻く」と言う。生来怠惰な私は、親や先生から幾度となく螺子を巻かれたものだが、またすぐに発条(ぜんまい)が緩んでしまう。今では螺子巻き役の家内も諦めたのか、私の耳が遠くなったのか、小言を聞くこともあまり無いようになった。

今では壁掛時計も置時計も、多くは内蔵する電池で作動するものとなっている。それでも長男の家の掛時計には、時刻の進行機能とは無関係の振子が設けられて居り、専用の電池で左右に動く振子の動作をしている。

また、文字盤の数字も、今日ではアラビヤ数字が多く用いられているのに、なぜか、昔ながらのローマ数字が使われている。どうしてだろう。

人類が時間という抽象的概念を持つようになったのは何時のことだろう。ずいぶん昔のことには違いないが、その目に見えない時間を測るという、考えて見れば極めて高度な知識はどうして手にすることになったのだろう。

インカやマヤの古代文明の遺跡にある日時計などから推察されるように、はじめは太陽光線の作る影の変化で時間の推移を把握したものだろう。
しかし一日の時間の推移を時々刻々測定認識することは、極めて高度な知識と技術を要したことに違いなく、それを知る能力は、人々の尊敬の対象であり、人々を支配する力ともなり得たのだろう。

物の本によれば、水の滴り落ちる量によって時間の経過をはかる漏刻(ロウコク)の技術が百済(くだら)経由で中国より伝わり、天智天皇の御代に漏刻台が設けられ、そのとき漏刻博士を任命された者が、広く時刻を知らせたと言われている。
こうした歴史から見ても、時刻を知る時計には、権威を伴う伝統意識があるように思われる。
そういう潜在意識から、今でも古風なローマ数字を用いたり、不要となった振子をアクセサリーとして残しているのではないかと思われる。

中学の英語で、大きな振子置時計をグランドファーザーズクロックと言うことを知り、お祖父さんの代から伝わる由緒ある時計をイメージしたことが思い出される。

そう言えば、♪大きなノッポの古時計 お祖父さんの時計・・・♪という歌の中でも、「百年休まず動いていた時計」という歌詞もあった。

本初子午線(○度経線)の直下にあるグリニッチ天文台を有するイギリスの人々は、とりわけ時計に権威と伝統を感じているのかもしれない。

今日では、百円ショップにでも並ぶ安物時計がある程大衆的商品となっているが、昔はオランダ商人が、幕府要路の権力者へ時計を贈物としたと伝えられている。

また、かつては東京帝国大学の優等卒業生には恩賜の銀時計が授けられていたことから、「銀時計組」という尊称もあったように聞いている。

広辞苑によれば、もと土圭(周代の緯度測定器)を日本では中世日時計の意に用いたもので、「時計」は宛字であるという。なお時計は、かって、「時圭」とも書かれていたらしいが、「圭」は字統(白河静著)によれば、圭玉の象形文字で、天子が諸侯にその地位を証明するものとして与えた宝玉であるというが、ここからも、時計は権威の象徴とされていたことが窺われる。

現在、時計と言えば、壁掛け時計・目覚まし時計・腕時計などが一般的であるが、昭和初期の学校では、先生たちが、鎖の付いた懐中時計をチョッキのポケットから取り出し、教壇の上に置いて授業をされていたし、国鉄の駅長も左手に持った懐中時計を見ながら、右手を挙げて列車の出発進行を指示していた。今ではほとんど見られなくなったが、下げ紐のついたあの懐中時計は、私たちが腕にしている腕時計より、重々しく、持つ人の貫禄を感じさせられるものであった。

昭和初期の時計は、文字盤に書かれている数字を指す長短二本の針で時刻を示す、いわゆるアナログ方式のもので、その見方は幼児にとっては難しく、小学校の算数では、カリキュラムの一つとして学習させられたものである。ところが最近では時刻を数字で直接示すデジタル方式の時計が多く見られるようになってきた。アナログ式の時計が無くなれば、時計の読み取り方など学習しなくて済むことになるわけだが、どうなるのだろう。

三年ほど前、他人様から電波時計なるものを頂いた。老骨の私にはいかなる原理によるものか分からぬものの、常に正確な月日と時刻、さらには温度・湿度まで表示してくれる、まことに便利な時計が現れたものだと感心している。しかし生来アバウトな性格の私には、かくも正確なものが身近にあることは、多少息が詰まるような気がしないでもない。

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2016年5月25日

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