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「世の中分からぬ事ばかり」

今日は中国の習近平主席がオバマ大統領との首脳会談に渡米するニュースがテレビでは大きく取り上げられている。

世界第二の経済大国にのし上がった中国が、その力を誇示し、アメリカとG2の地位を確実にするための訪米であるだの、アメリカが国賓待遇で歓迎するだの、中国礼賛の派手な報道ぶりである。
しかし、最近では上海株式市場の大暴落など中国経済の先行きを危ぶむ声も囁かれている。
この問題に限らず、その他、国内外の様々な現象の真相は、どこにあるのか、片田舎の老骨には分からないことばかりである。
そこで長谷川慶太郎氏の「二〇一五年~世界の真実」所載の解説に頼ることとした。

アメリカは軍事費を削減する傾向にある。それは平和だからだ。もう大規模な戦争はないと思っている。実際できない。ただし、三隻の原子力空母を要する第七艦隊を東アジア、二隻の原子力空母を要する第五艦隊をペルシャ湾と、危ない地域には強力な軍事力を配置している。
中東地域でアメリカが警戒するのは、石油を資金源とする強い独裁者の登場だ。リビアのカダフィ、イラクのフセインがそうだった。しかしシェールガス革命が世界に広がれば、中東の石油は重要度が下がり、資金源としての力も弱くなる。その時アメリカは中東から手を引くだろう。
とは言え、現時点ではまだ目を離せないエリアである。イスラム世界では「アラブの春」に始まって混乱状態が相次いできた。その延長線上にシリアの内戦があり、戦火はシリアからイラクに広がっている。
イスラム世界の難しさは世俗と宗教との間に一線を引けないことだ。トルコのように政教分離の国でさえ、イスラム共和国に転じさせようとする動きが出る。

二〇二〇年の夏季オリンピック開催地が決定される前に、イスタンブールで暴動が起こった。これはエルドアン首相がコーランの戒律を生活に適用しようとしたことに対する反発が原因である。その最たるものは飲酒の制限だ。飲酒はコーランの戒律に反する。したがって、イスラム教を国教とする国は飲酒に対して制限を課すところが多い。トルコは現在の共和制国家を樹立して以降、イスタンブールのような大都市では欧米や日本と同じように酒は生活を彩る一要素だ。その禁止は自由の否定であり、都市の住民の多くは受け入れないだろう。
一方で、農村部には敬虔なイスラム教徒が数多く存在する。彼らにとって飲酒制限は歓迎すべきことだ。

こうした対立構造がエジプトに顕著である。選挙で政権を取ったイスラム同胞団と軍が対立した。イスラム同胞団はコーランの戒律を厳格に適用しようとする。農村部の住民がその主な支持者だ。一方、都市では西洋流の「自由と平等」を重視する人が多い。そういった人が軍を支持する。

現在の状況で両者が妥協点を見出すのは困難である。政教分離ができない以上、イスラム世界の対立構造は解消しないだろう。そして、妥協が成立できない先に武力の行使と言う事態が発生する。だが、それがどれほどのコストを強いるのか、当事者にはわからないだろうが経験者にはわかる。

ベトナム戦争のテト攻撃でベトコンの指揮官を務めた人物を私は知っている。日本とベトナムの国交が回復していない頃、彼は中国のパスポートを使ってしょっちゅう来日していた。中国のパスポートなら日本は別に文句を言わなかった。
テト攻勢の指揮官だった彼に私は次のようなことを聞いたことがある。
「ベトコンの戦死者はどれだけ出たか」
「六万人だ」
「米軍の戦死者数を知っているか」
「三千人だ」
「もう一回、繰り返そうと言う気にはならないだろう」
この質問に彼はうなずいた。
「おっしゃる通りだ。本当にゲリラは高くつく。命で買わなければいけないことだ」

ゲリラだけではない。武力を使うコストは高くつくのが普通である。しかも、戦争に勝ってもそれで終わりでは無い。

ある時彼が「アメリカとの関係を回復するにはどういう方法があるだろうか」と聞いてきた。私は「MIAを解決することだ」と答えた。MIAとは「Missing in action」の略で、アメリカ人の行方不明者のことである。一時期、二千二百人程いた。そのほとんどがパイロットだった。
「それを解決するための方策は何か」という彼の問いに私は次のように答えた。
「貴国の映画撮影所は三千万フィートの実写フィルムを持っている。そのフィルムを全部アメリカに提供しなさい。そしてその上に対空部隊の陣中日誌を出しなさい。ベトナム語で書いてあっても構わない。アメリカに渡せばアメリカが翻訳する」
すると彼は少し気色ばんで言った。
「ミスター・ハセガワ。それは敗戦国の軍隊のすることだ。わが国は一九七五年四月に勝った。そのことを忘れているのではないか」

私の返事はこうだ。「そんなことを言うが、あなたがアメリカにアプローチしたいのは、その後のプロセスを通じてあなた方が敗戦国に転落したからではないか。勝っているならアメリカとの関係を回復する必要があるのか。アメリカの方から擦り寄るだろう。あなた方がアメリカに擦りよらざるを得ないのはアメリカに負けたということだ」
彼は言葉を発しなかった。

当時は中曽根康弘内閣の時代だった。この話を後藤田正晴氏のところに持っていった。後藤田氏は彼に会って詳しく聞き取り、それをアメリカに連絡すると、アメリカが乗ってきた。そして米越両国が外交関係を開く前にハノイにMIAを調査するための特別の事務所を作った。二千二百人いたMIAはどんどん減り、国交回復するときには二百人になった。なおベトコンの指揮官だった彼はハノイで存命である。

これを見ると、その時々の報道で、事の表面だけは耳にしたことが思い出されるが、裏の真相は初めて聞かされることばかりである。
政教分離してないイスラムの世界は、地理的にも遠い事でもあり、とりわけ分かりづらい。
昨日まで仲違いしていた国が急に接近することもしばしばある。またときには口汚く非難していながら、首脳同士がにこやかに握手したり、国際政治に疎い私には不可解なことが少なくない。

とすると、習近平の今回の訪米も、力の劣る国が、超大国アメリカを刺激しないよう言い訳をするためかとも思われてくる。またそんな習近平を国賓待遇するのは、中国の急激な変化を望まないアメリカが、習近平の帰国後の立場を配慮してのことかとも考えられる。いずれにしても、真相は今も籔の中で、われわれ庶民は永久に知り得ないことかも知れない。

(平成二十七年九月二十二日)

2016年2月5日

所長の佐藤です。

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