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「米露養子問題に思う」

 
三月九日の毎日新聞の国際欄に「米露、深まる亀裂~ロシア養子縁組禁止」の見だしに、はて何事ならんと驚かされた。要約すれば次のような事が報じられている。
「ロシアが今年一月、米国による人権批判への対抗策として、自国の子どもと米国民との養子縁組を禁じたことから、受け入れ先を失った孤児がしわ寄せを受けている。米国に頼らず孤児を自国で育てるべきだとの意見もあるが、多くの問題を抱えているのが実情だ・・・」
なお、ロシア政府の方針転換で出国出来なくなった子どもは推定500~1000人という。
 
不勉強の私は米露の間で養子縁組が行われていることも、ロシアに多数の孤児が居り、社会問題となっていることも知らなかったので、大変驚いた。
記事によれば、ロシアでは、ソ連崩壊後の格差の拡大などで、子どもを放置する親が多く、65万人いる孤児のうち84%が親から見放された社会的孤児であるという。さらに病気や障害を抱えた孤児を尊重しない風潮も残されているという。
わが国でも、児童虐待や育児放棄のニュースが毎日のように伝えられ、慨嘆することしばしばであるが、改めて人類の末路が思いやられることである。
 
昔から、貧しさ故の姥捨てと間引きが行われていたというが、昔は農業の生産性も低く、堤防や排水路などの自然災害に対する供えも著しく貧弱であったので、天災地変の度ごとに、庶民は飢餓に苦しむ中、間引きも避けられぬことであったに違いない。
日本史年表を繙いて(ひもといて)みると、徳川家康が江戸に幕府を開いた慶長八年(西暦1603年)から大政奉還された慶応三年(西暦1867年)までの所謂江戸時代264年間に、大規模な地震や風水害だけで80件にも及んでいる。
また、今日の防火対策があれば、大事に至らなくて済んだのではないかと思われる大火が、これも52回も記録されており、農民を苦しめる冷害や旱魃、蝗(いなご)の異常発生による虫害も幾度も発生している。
これを見ると当時の庶民の暮らしが如何に厳しいものであったかが窺われる。
今も農村の路傍に佇む地蔵尊の中には、間引きを余儀なくされた親が、まともな暮らしを取り戻したとき、良心の呵責に耐えかねて、子どもの供養としてものもあると聞いている。
 
経済の高度成長により豊かになった今日、こうした悲劇は過去の事になったものかと思われるのに、先日は生まれたばかりの赤子を殺害し、それを隠蔽して6年間も児童手当を搾取していた母親が逮捕されたニュースが伝えられていた。あまつさえ、その母親はしばしば観光旅行に出かけるなど優雅な暮らしをしていたと聞かされては唖然とするばかりである。
 
先年、民主党政権が子どもは社会が育てるべきものとして、子ども手当の増額や、高校授業料の無償化などの政策を実施した折、違和感を感じたことであったが、自分には直接関係の無いことでそのまま忘れていた。
しかし今度の米露養子縁組問題で、その時の違和感は、社会子育て制度が育児放棄に繋がることにあったのだと気づかされた。
子どもは将来この国を担う事になるから、その成長は国にとっても、関心事であることは間違いないが、育児に最も必要な事は、親の愛情にあることを忘れてはならない。
 
新聞記事では、ロシアの育児放棄はソ連崩壊後の格差の増大によるものとしているが、長年の共産主義体制で、子育ては国がするものだという観念が染みついていた結果ではないかと思われる。
わが子がすくすくと成長していく姿を見ることは、親にとってはこの上ない喜びではあるが、子育ては楽しいことより煩わしい事の方がはるかに多いのが現実である。
ことに障害児や病弱な子どもとなれば、親の苦労はより厳しいものになる。それでもなお育児に励み、なんとか人並みの社会人として世に送り出そうとするのは、わが子に対する愛情もさることながら、育児が天命であることを潜在的に体得しているからではなかろうか。
そうした観念は、自分も周りの人も、みんな先祖代々親から育てられ、子孫へ引き継ぐ社会に生きてきたことによるものではないか。
 
生まれたばかりで託児所に預けられ、一日の大半を親と離れて暮らすことが一般化した社会では、「子育ては社会」が常識となっても致し方ないことだろう。
社会子育て制度が常識となれば、やがて子どもへの愛情も次第に希薄になり、やがては育児放棄の多発を招くことになりはしないか、大いに気になるところである。
 
ところでこの記事では、米国は障害や病気を抱えた孤児を含め、過去20年間に約6万人のロシアの子どもを養子にしてきたと記されている。
また昨年のロンドン・パラリンピックの陸上競技で、3つの金メダルを獲得した米国のタチアナ・マクファーデン選手は、ロシアの養護施設から引き取られた一人だそうである。
 
日本でも他人の子を養子としている人は少なからずいるが、その大半は実子に恵まれず、やむなくということのようである。ところが、米国では実子がいる家庭でも他人の子を養子として育てるケースが少なからずあるとも聞いている。
このような話を耳にすると、人間社会もまだまだ棄てたものではないと心も和む思いもするが、日本をはじめ世界には少子高齢化が問題となっている国がある中、アメリカ社会のバイタリティーには驚かされる。
最近台頭著しい中国が、やがて米国を追い越してGDP世界一になるのではという説もあるやに聞くが、長年の一人っ子政策による少子高齢化が進行し、生産人口の減少で、中国の経済発展も今がピークで下り坂に向かうという論者もいるようである。
米露養子問題の記事を見て、経済には無縁の私には、米中経済戦争の軍配は、アメリカに挙がるように思われるが、どうだろう。
(平成二十五年三月十日)
 

2013年5月30日

所長の佐藤です。

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